2021年9月1日ハンドアクティビティチーム勉強会は、上肢に問題はないが「ふとん」に「ふとんカバー」をうまくかけられない高次脳機能障害の患者に対してどのような介入が有効か?についてディスカッションしました。
はじめにニューヨーク大学ラスク研究所の神経心理ピラミッドモデルについて学び、次に構成障害、注意障害、記憶障害などの高次脳機能障害を有する患者に対して「ふとんとふとんカバーを用いた評価や治療」といった条件でディスカッションしていきました。ディスカッションでは、
①「ふとん」や「ふとんカバー」が広がっていない状況では目視で縦と横の長さが分かりにくいため、広げたふとんの上でふとんカバーをあてがい確認するといった、視覚の情報量を増やして反応を見ていくのはどうか。
➁ふとんの角の到達点を理解しているのかを確認するため、ふとんカバーの角に手を入れて角をつかめるか確認してみる、ふとんカバーの四隅にお手玉などを入れて反応をみるのはどうか。ふとんやふとんカバーの角に目印をつけて記憶や構成課題の難易度を下げてみてはどうか。
③枕、クッション、衣服、子供用のふとんなど操作する対象を変え、立体的な認識について確認してみるのはどうか。
④ふとんカバーかけは難易度が高く、悪戦苦闘する中で神経心理ピラミッドの最上段の気付きに繋げ、代償手段の開発や訓練のモチベーションアップに活かせるのでは。
⑤ふとんやふとんカバーをたたむなかで、対象物の質量中心や張りなどを知覚しさせ対象物の操作を自動化させることで、構成などの高次脳機能が発揮されやすくなるのではないか。
などの意見がありました。様々なセラピストの意見を聞くことで視野が広がり、治療のアイデアが増え、とてもいい勉強になりました。