吸引実施者育成研修会を2回に分けて実施しました。
第1回目は吸引の基礎知識および清潔操作の実技
第2回目では、吸引操作の練習およびチューブの自己挿入体験
実際に自身で体験することで、より安全な吸引操作ができることを目指して行きます。
2020年11月7日に第6回 動作分析勉強会「歩行Ⅱ」を開催しました。
今回は勉強会で説明した3つの異常歩行パターン
・エクステンションスラストパターン(ETP)
・スティフニーパターン(SKP)
・バックリングニーパターン(BKP)について簡単に説明します。
・エクステンションスラストパターンは
立脚期で膝が過伸展してしまうパターンで、このまま立脚期を通してBack kneeへと移行すると修正が困難になります。修正には下腿の前傾、つまり下腿三頭筋の遠心性収縮を再現するような介入が必要になります。身体機能面で改善しない場合などは底屈制動のかかる機能などを使って介入します。
・スティフニーパターンは
歩行終期を通じて膝関節の角度が変化しないパターンとなります。必然的に隣接関節となる股関節や足関節も屈曲位となり伸展活動が無いため、歩行速度が遅くなるのがSKPの特徴となります。また重心を上方に挙げられないため、ヒッチハイクや分回しなどの代償動作が出現するのも特徴となります。SKPになる身体機能から見る仮設を考えると膝関節に対して協調的な動きが入らない理由が見られます。また二重振子の破綻から膝関節の角度に変化が出ない可能性も考えられます。
・バックリングニーパターンは
立脚初期で膝が屈曲してしまうパターンです。いわゆる膝折れです。BKPは長下肢の適応となる状態です。膝が屈曲してしまう理由としては骨盤が前方にスウェイしてしまう為、下腿の前傾が速く出過ぎてしまう為です。仮に装具を使う場合は長下肢となる為、背屈はフリーとして底屈は制動しないとLRで下腿が過剰に前に押し出される為、膝折れはおきます。またこれはそのまま脳血管患者様のTAが効かなくなるという特徴にも当てはまる現象と言えます。
また、足関節背屈の治療についてディスカッションを行いました。ステップ位での治療、低周波の活用、座位・臥位で踵を手前に擦るような刺激の利用、ボールを蹴るなどのアイデアを共有しました。
10月24日に動作分析勉強会を実施しました。
今回のテーマは「歩行Ⅰ」という事で、ディスカッションを交えて実施しました。
ディスカッションの内容を一部掲載させて頂きます。
○歩行をどのように観察し、分析していくのかアドバイスがほしい。
→立脚期の前期・後期のどちらが異常か?
ロッカー機能は働いているか?
異常や機能していない要因を確認していくように評価していくとよいかも
→恐怖感は麻痺側や患肢の練習の阻害因子となるため非麻痺側・健側に荷重できるかをみる。
他にも色々な質問や意見があり、個々の考え方や具体的なアプローチを共有することが出来ました。
10月10日に動作分析勉強会を開催しました。
テーマは「立位」として、ディスカッション等を盛り込みながら実施しました。
今回はのその内容を一部を掲載致します。
○ケンダルの姿勢分類を臨床に活かすとして具体的にどう評価・治療に展開していくか
→重力線が各関節の前方を通るのか、後方を通るのかなどの目安にしている
→問題と考える関節について精査する。臥位・座位などで可動域の確認、動きや筋力の問題なのか、改善が可能ならアプローチする。困難なら環境調整や代償手段を考えていく。
活発な意見交換が出来ました。
10月6日(火)及び10月21日(水)、実技練習会「キソレン」7,8回目を実施しました!
今回のテーマは「臥位での治療」です。
セラピストの触れ方、動かし方、立ち位置などちょっとしたことで、関節運動の範囲や抵抗感などに影響を与えることを、お互いに体感しました。
また、下肢から骨盤、脊柱、上肢へと動きが連動していく実技を実施しました。
臨床場面でも使うことが多いですが、今回は身体の連動性に気づいたり、動かしながら相手の反応や変化を感じ取れるようになる、ということを目的に行いました。
※換気、検温、マスク着用、前後の手洗いなど感染対策を実施しています。
一つ一つの実技の時間を長めに取ったこともあり、参加したセラピストは集中して取り組んでいました!
今回、新型コロナウイルス感染の最中、どの様な形式で開催するかを検討し、ZOOMを使用した複数会場の少人数参加形式で開催致しました。
2日間に分けて実施しました。
1日目(2020年9月25日 金曜日)
演題1 安定した食事摂取に向けて座位・移乗動作や介助方法が重要であった症例
演題2 自助具を用いて食事自力摂取を目指した頸髄損傷症例
演題3 在宅における過栄養・寝たきりの方に対してリハ栄養アプローチを行った症例
演題4 栄養からみた当院回復期病棟入院患者の状態とアプローチ強化に向けて
2日目(2020年9月29日 火曜日)
演題1 なぜ、目を閉じるのか?~食べられない理由を認知症から考える~
演題2 間質性肺炎に伴う安静時呼吸困難を認める症例~血液ガス検査から病態を予測する重要性~
演題3 脳梗塞を呈し、短下肢装具にて自宅復帰を目指した症例
演題4 認知症をもつ症例に対して行った、集団活動の観察と考察
演題5 失調症状の患者様にインソールを挿入し歩容が改善した症例
立ち上がりの動作分析勉強会を行いました。
ディスカッションの内容を紹介させて頂きます。
○ハムストリングスで立っているというがなぜこうなるのか?
立ち上がりの際ハムストリングスの活動で膝は前方ではなく後方に引け、体幹が過度に前傾し体がクの字になる。足関節は底屈で突っ張り踵に体重がかかっていないなどの意見がありました。
○なぜハムストリングスを使用して立つのか?
痛みがあるから使いたくない人もいれば、運動コントロールの難易度を低くするためにワザとそうしている人もいる、機能不十分な人もいるなどの意見がありました。
○麻痺患者の典型的なパターンで動作(バックニ―・内反)を覚えるとなぜ良くないのか?
・二次的な問題へ波及する可能性を高める
・その後の歩行や立位動作への悪影響
・動きの自由度が狭まり環境が変わると動作ができない可能性を強める
・半球間抑制の観点から、脳の自然回復を阻害させないため、全人的な回復のため。
今回、個々に考えている事を共有する良い機会となりました。
8月29日(土)に座位の動作分析について講義・ディスカッションを行いました。
○前方へのウエイトシフトに恐怖感のある患者へ座位で従重力的な姿勢コントロールを促通するための治療プログラムについてのディスカッションでは、
・前方に視覚的な安心を提供するのはどうか
・臥位で座位の状況を作り骨盤の運動を訓練するのはどうか
・上肢の重さが影響していそう。両手ワイピングで活性化するとどうか、下肢の荷重などの反応をみるのはどうか
・下肢の感覚がよいなら装具を外して荷重練習してみてはどうか
・骨盤の前傾から見てみる。
・クッションやテーブルを使用し、坐骨から大腿骨後面へのウエイトトランスファーや骨盤の前傾の運動を観る。
・非麻痺側でどこか落ち着く場所があるか。その場所からバランスを拡げていく等の意見がでました。視点や治療アイデアの共有ができました。